「施術の考え方」の項では、
物理的、精神的なストレスが
過度に身体にかかり続けると
その衝撃で臓器や骨といった身体の各構造が
''元ある位置''から歪んでしまい、固まってしまうことで
身体の制限(ブロック)となることを説明しました。
ではそもそも
身体の中で制限ってどうなっているのか?
どうやってその制限を見つけるのか?
どうやってその制限を取り除いていくのか?
と思われると思います。
それを少しかいつまんで説明させていただきますね
まず、人の身体は「膜」という組織でできています。
最近では「筋膜」という言葉は
耳にされたことがあるかもしれません。
筋膜とはその名のとおりで、
筋肉を覆っている膜のことを「筋膜」
骨を覆っている膜を「骨膜」と言い、
覆っている場所で便宜上その名称が変わります。
実は内臓も神経も血管も靭帯も
人の全ての構造はこの「膜」で覆われているのです。
つまり、
頭から爪先の構造の全てがこの「膜」に覆われていて
途切れる事なく繋がっているのです。
なので
身体の構造は
「骨や筋肉、内臓や神経」というふうに
分けて考えるのではなく、
全てが膜という組織を介して繋がっており、
全ての構造が協調して身体を動かしている
一つの繋がりを持った
システムとして捉えることが大切です。
例えば物理的、精神的ストレスの衝撃で
肝臓の位置がズレたり歪んだりしたとします。
その肝臓のズレや歪みは
膜を通して''全身に波及''するのです。
身体の膜の繋がりのイメージとしては
全身にタイツを着ていると
考えてもらうとわかりやすいかもしれません。
肝臓の部分が歪むということは
歪んだ肝臓の部分に向かって
タイツが引っ張られるということです。
そのタイツの引っ張れは全身に波及します。
「右肩が痛くて上がらない」と病院に行って
レントゲンやMRIをとってもらっても
「なんの問題もありません」と
痛み止めを出されるだけなんて経験はありませんか?
もしかしたら
一見関係のない
肝臓の位置のズレや歪みが肩関節周囲の膜まで
波及して制限を起こしているのかもしれません。
そんな状態で肩を無理に動かそうとしているから
動きにくさや痛みを感じているのかもしれません。
それなのに悪くない肩を動かしてもらったり、
マッサージしてもらっても
その時は気持ちいいかもしれませんが、
あまり意味はないかもしれません。
そんなことよりも、根本的な問題が
肝臓の歪みによる膜の波及なのだとしたら、
その肝臓の''膜を緩めて''
肝臓を''元の位置に戻してあげる''ことが必要です。
その結果、
肩を制限していた膜の歪みはなくなり、
構造が元の位置に戻ることで
肩は本来の働きを最大限発揮することができます。
なので当院で行う施術では、
まず''全身の膜の状態''を触診で診ていきます。
つまり頭から爪先まで全ての身体の構造体を診ながら
なぜこのような症状がでているのか?
という根本的な原因(膜の歪み)を探していきます。
そして、
その膜の歪み(ブロック)を最善の方法で
一つずつ緩めていくことで
各構造を本来在るべき元の位置に戻していきます
そして
その人の身体から制限(ブロック)がなくなることで
身体が''自己治癒力''を取り戻し、
本来の力を最大限に発揮できるようにしていきます。