''オステオパシー(Osteopathy)''はギリシャ語の「Osteon」と「Pathos」という2つの言葉を用いて作られた造語です。
「Osteon」とは骨という意味だけでなく、この中に「生命の構造体・命の構造」を表す意味が含まれています。「Pathos」は癒す・療法を意味し、これらを合わせて「Osteopathy」と呼び、「生命体の構造を癒す療法」という意味を持っています。
また''オステオパシー''とは施術法を指す意味ではなく、東洋医学などと同じく、オステオパシー医学という医療体系のことでアメリカ発祥の”医療哲学”のことです。
今現在アメリカでは、オステオパシーは医学として公認されており、医学大学を卒業することで得られる国家資格です。
日本では医師というとM.D.(Medical doctor)のことなのですが、日本とは違いアメリカでは医師の種類が何種類かあります。そのうち手術・投薬など全ての医療行為を許された医師であるD.O.(Docter of Osteopathy)の名前が与えられています。
またオステオパシーが国家医療資格として認可されている国はたくさんあり、多くの国でオステオパシーの研究や教育が行われています。
そんなオステオパシーにおける考え方として特徴的なものは以下の4つがあります。
①身体は全てが繋がった一つのユニットである
②身体は自己治癒力、自己調整機能を持つ
③構造の位置と機能は相互作用がある
④一人の人間とは、身体・精神(心)・魂の単位である
つまり、身体の構造は「骨や筋肉、内臓や神経」というふうに分けて考えるのではなく、全てが''膜''という組織を介して繋がっており、全ての構造が強調して身体を動かしている一つの繋がりを持ったシステムとして捉えることが必要です。
また、人体は健康を維持するための調整・自己治癒能力を持っており、これらが何らかの理由でうまく働かない状態をすなわち''病気''と捉えています。
そして、「骨や筋肉や内臓」といった各構造が本来あるべき場所からズレているとその構造は本来の機能(筋発揮や循環、免疫など)を発揮することができないということです。またその逆も同じで機能に問題があるということは構造に問題があるということです。
最後に、
これらの3つの原則を理解し、もっと大きな視点から”人”という存在を捉え、人も自然の循環の中の一部分であり、ただ単に目に見える身体の構造や機能だけを診るのでなく、その人を取り巻く環境や精神(心)、魂といった目には見えないけれど生命にとって確かに存在する側面まで視野に入れ、その人にとって最も合理的な施術を行う者を''オステオパス''と呼びます。
A.T.Still
「原因を見つけ、そこを調整しあとは放っておきなさい。
病気とは決して治療者が治すのではなく、我々は手伝いをするだけ。
治すのはあくまでも患者の持つ自然治癒力であり、自身の生命力なのです。
我々オステオパス(オステオパシーを行う者)はただ患者の体に耳を傾け、身体の組織と対話し、身体が訴えている必要な処置をするだけ。
あとは自然が解決するのです。