腰椎椎間板ヘルニア
一度は聞いたことあるくらい
有名な症状かと思います
病態としては
腰椎の椎間板というものが
変性を起こし
神経側に飛び出すことで
神経を圧迫してしまい
腰や足に痺れや痛みなどの
神経症状が出てくる疾患です
好発部位は
腰椎4番〜5番の間と
腰椎5番〜仙骨の間
人口の約1%が羅患していると言われており
症状がなくても76%の人に
MRI上のヘルニアが認められるらしいです(笑
今の医学的に原因を調べてみると
・加齢による椎間板の老化
・椎間板は曲がったりひねる動作に弱いため
重いものを持ち上げたり身体をひねる動作が
引き金となる
・体重が重いから
みたいな感じで出てくると思います
では
若くて痩せていて
あまり運動しないような人でも
椎間板ヘルニアになる時があるけど
どう説明してくれるのでしょうか?(笑
そして
この理論だけでいくと
人口の半分くらいは
椎間板ヘルニアになる気がするのは
僕だけでしょうか・・・(笑
ということで
今日は
椎間板ヘルニアの原因について
僕なりの解釈を書かせて頂こうかと思います
難しいことを書いても
読む気がなくなるだけだと思うので
できるだけ簡単に書いていきます(笑
まず
腰椎というものは全部で5つあります
上から順番に
L1、L2、L3、L4、L5と言います
Lは腰椎の略称です
基本的に
椎間板ヘルニアは
L4、L5の間とL5とS1(仙骨)の間に
多く起きやすいと言われています(約80%)
なぜこの2つの椎間の間で
問題が起きやすいのでしょうか?
その答えを
導き出すために
腰椎に関係する
構造について少し紹介しましょう
まず最初に伝えておくことは
L4、L5の椎間はもともと
運動能力が高くて
安定性が低い構造であるということです
基本的に
身体を捻ったり
前屈みになったりする時には
ほとんどL4、L5の腰椎とS1の仙骨が動いて
その他のL1〜L3までの
腰椎はサポート程度にしか動きません
どういうことかというと
L5の椎体には
大きな組織の付着がありませんが
L1〜L4までの椎体には
横隔膜、腸(腸間膜)、大腰筋、内臓などの
組織が付着しているのです
そのため
L1〜L4の椎体は
内側の組織の付着により
支えられて安定性が向上しています
つまり
安定性があるので
身体を支えるような働きは得意ですが
腰を捻ったり曲げたりする動作は苦手なのです
例えで書くと
身体を捻ったり曲げたりするときに
L1〜L4までの椎間で約30%
L4〜S1までの椎間で約70%
くらいの割合で動いているのです
しかし
この構造に
落とし穴があります(笑
L1〜L3には安定性があって
良いなぁと思うかもしれませんが
これは諸刃の剣にもなります
どういうことかと言うと
L1〜L3の椎体に
付着している内側の組織が
何かしらの理由で
固くなったり歪んだり
構造の位置がズレてしまうと
今度はL1〜L3の椎体を
過剰に引っ張ることになり
本来働くべき動きでさえできなくなります
つまり
先ほど書いた
本来
身体を捻ったり曲げたりするときに
L1〜L4までの椎間で約30%
L4〜S1までの椎間で約70%
くらいの割合で動いているものが
L1〜L4までの椎間で0%
L4〜S1までの椎間で100%
くらいの割合になってしまうかもしれません
この状態で
動き続ければ
L4〜S1はオーバーワークとなり
椎間への圧力も強くなり
いつかは破綻してしまいます
そして
L4〜S1の椎体が
頑張りすぎて
破綻した結果
椎間板が破れて滑り
腰椎の神経根を圧迫することで
椎間板ヘルニアとなるのです
さらに
身体のために
頑張って働いてくれた
L4〜S1の椎体は
“スベった椎間板”と言われ
今の医学では
“悪者扱い“されるのです
何と救われないL4〜S1の椎体(笑
さらに
椎間板ヘルニアの手術についてですが
この“悪者扱い”のL4〜S1の椎体を
動かないようにプレートで固定するのです
もうここまで読んでいる方は
わかると思うのですが
L4〜S1の椎体は
他の椎体の動きまで
代わりにやってくれていた
一番働き者の椎体です
その
唯一働くことのできる
L4〜S1の椎体を固定するのです・・・
どうなるか
もうわかりますよね?
ちなみに
椎間板ヘルニアの
再発率は
5年で15%程度とかなり多いです
再発箇所は
プレートで固定した
椎体の一つ上側の椎間で起きるのが
ほとんどだそうです
つまり
冤罪でL4〜L5までの椎体が
プレートで固定されたとすれば
身体をひねる動作や曲げる動作の時に
動ける椎体がなくなります
そうなると固定されていない
椎体で何とかして
頑張るしかありません
その矛先が
L3とL4の椎間と
なってくるということなのです
そして
今度は
L3、L4の椎体が
滑ってしまい
神経根を圧迫し始めるのです
というように
構造を知ることで
理論がわかってしまえば
問題点がちゃんと見えてきます
問題点は
滑ってしまった椎間板ではなく
L1~L3の椎体に付着し
L1~L3の椎体の動きを
制限していた
内側の組織である
横隔膜、腸(腸間膜)、大腰筋、内臓などが
固くなったり歪んだり
位置がずれていたことにあります
なので
アプローチすべきは
L4、L5の椎間板ではなく
L1~L3の椎体の制限していた
内側の組織を緩めて
本来の位置に戻していくことで
L4、L5の椎間の負担がなくなります
なので
すべてがそうとは言えませんが
正直なところ
腰椎椎間板ヘルニアは
内臓からの問題がほとんどです
ただ
症状がきつく
かなり大きな神経損傷が
起きてしまっている場合は
もちろん手術が最適のケースもあります
手術がすべて上手くいく
というわけでもありません
手術後にいい結果が得られなかったという
整形の問題を抱えた方もたくさん診てきました
ただ
手術をする前に
身体にとってより自然な方法を
試すということも
一つの選択肢かもしれません
結局
手術をしようがしまいが
最後は
自分の身体の中にある
”自己治癒力”で治していくしか
方法はありません
症状というものを
一つとってみると
このような考え方に
なるかもしれませんが
身体全身をトータルに診ることで
身体の構造を整え
身体のバランスを整えていくことで
自分の自然の力である
”自己治癒力”を上げるという考え方を
持っていただけるといいのかもしれません
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